DTS Premium Suite™は、上質で豊かなオーディオ・エンターテイメントを可能にする、PC の新しいオーディオ・ソリューション・パッケージです。



● DTS Surround Groove with Audiがついにスタート
東京原宿の神宮前交差点から明治通り沿いに渋谷方面へ2~3分も歩くと、全面ガラス張りで鋭角にそびえる近代的な外観が印象的なAudi Forum Tokyoに到着します。
一般公開の前日にあたる10月13日 午後7時、ここAudi Forum Tokyo でDTS Surround Groove with Audiのプレスカンファレンスが行われました。会場となった2Fフロアには約100名の招待客が集まり、DTSの展示コーナーで熱心にDTSサウンドに耳を傾ける人々、スタッフへ技術の質問を投げかける人々、同じフロアに展示されていたAudiの車に興味を寄せる人など、セレモニー前の時間をそれぞれ思い思いのスタイルで楽しんでいる様子でした。

プレスカンファレンスを待つ招待客
● 最先端を追求する企業姿勢が共通するDTSとAudi
プレスカンファレンスは予定通り19時にスタート。最初のご挨拶として檀上に上ったのはアウディジャパン株式会社広報部長の小島誠氏でした。小島氏は、自動車技術の最先端を追求し続けてきたアウディの歴史を語りながら、DTSの音響技術開発に対する姿勢の印象について説明。「自動車技術において最先端にこだわり続けてきた私たちAudiと音響技術の世界で常に最先端を追求するDTSは、企業マインドに共通する部分を感じます」と小島氏。さらに「実はAudiのオーディオシステムにもDTSのデコーダーが搭載されています。この機会に、ぜひAudiの自動車とDTSの音響技術を一緒に体感していただきたい」とイベントへの期待を述べました。

アウディジャパン株式会社 広報部長 小島誠氏
● 映像に負けない音の3D時代をつくる
次に檀上に上ったのはdts Japan株式会社の代表取締役副社長を務める仁戸田 一之。仁戸田は、1993年 米国カリフォルニアで発足してからの足跡をたどりながら、DTSが18年間連続して成長を続けている米国では稀なベンチャー企業であることを説明。世界的に売上げとシェアを伸ばし、特に日本ではBlu-Rayディスクの映画タイトルの約90%にDTSのDTS-HD Master Audioが採用されるほど普及が進んでいます。「Audi様と同様、ハイクオリティをキーワードに開発に取り組み続け、いまではDTSのロゴは高品質の証として認知されるようになってきました。これからは、パソコン、カーオーディオ、スマートフォンといった、いまの人々の生活に直結するあらゆるメディアでDTSの技術が活かされるよう開発を進め、日本のパートナーの皆様とエコシステムの構築に取り組んでいきたいと思います」と今後の製品展開について語りました。また、3D時代を迎えた映像世界に言及し、「映像の次は、音の3D。DTSのサラウンド・サウンド技術で音の3D時代を築きたいと思います」と3Dサラウンド時代をリードする強い意欲を示しました。

dts Japan株式会社 仁戸田 一之
● 今回の目玉はDTS Neo:X™
最後に檀上へ上ったのはマーケティングコミュニケーションを担当する伊藤哲志。伊藤はDTS Surround Groove with Audiにおける展示内容について紹介。特に、日本初公開となる11.1チャンネルのサラウンド・サウンドを実現するDTS Neo:X™について、DTSのサラウンド技術の高さと優れた柔軟性を示すものとして訴求。会場の関心を集めていました。
セレモニーの後、大勢の招待客がDTS Neo:X™を試聴するために3Dサラウンド体験コーナーに集まり、賑わいを見せていました。

dts Japan株式会社 伊藤哲志

DTS Neo:Xを試聴する招待客

大勢の招待客で賑わう会場


● 日本初公開 11.1ch 3Dサラウンド体験コーナー(DTS Neo:X™)
DTS Surround Groove with Audiにおいて最も注目を集めたのは、何といっても日本初公開となるDTS Neo:X™でしょう。DTS Neo:X™は、11.1chのサラウンドを実現するホームシアター向けの最新技術です。実は、市場に出ているAV機器でこの11.1 chに対応した製品はまだありません。そのため、本イベント会場では9.1 chのAVアンプをチューンアップし、プロトタイプとして11.1 chを実現しました。
イベント期間中、3Dサラウンド体験コーナーでは映画「ジュラシック・パーク」が常時流され、11.1 chの音の効果がわかる2つのシーンを使って定期的にデモンストレーションが行われていました。注目度の高い新技術だけあって、長時間その音に耳を傾ける人や技術的な背景を熱心に係員にたずねる人など、多くの人が積極的に試聴してくださいました。
これまでのサラウンドで表現できていた前後左右方向の音の広がりに加え、11.1 ch DTS Neo:X™は上下方向の音の広がりを表現できます。例えば、ジュラシック・パークの雨の中で繰り広げられるシーンでは、頭上の木々に降り注ぐ雨音が明らかに上の位置から聞こえてきました。これらの音は、DTS独自のアルゴリズムによってどの方角から聞こえてくるのか瞬時に計算して再現されています。聞こえてくる音は、明らかにいままでにない感覚です。
また、主人公たちが恐竜に囲まれるシーンでは、映画を見えている私たちが恐竜に囲まれているかのように、前方から、後方から、彼らの鳴き声がリアルに聞こえてきました。11.1 chで、サラウンドのバリエーションがさらに広がったと言えるでしょう。今後、11.1 chに対応した製品が登場することが楽しみです。

11.1チャンネル3Dサラウンド体験コーナー

30分に1回行われていたデモンストレーション
● DTS Ultra PC II Plus™搭載PC試聴コーナー
自宅でPCに向かっている時間が多くなっているいま、PCで映画や音楽を楽しむ人の数は増加傾向にあります。こうしたリスナーの耳を満足させるDTSのサラウンド技術がDTS Ultra PC II Plus™です。DTS Ultra PC II Plus™は、PCの持つ音の再現力を最大限に引き出し、それぞれの環境で最高のサラウンド・サウンドを再現する技術です。DTSのサウンド エンジニアがPC個体の特性に合わせて音を最適化しています。
本コーナーには富士通の最新のPC4台が設置され、参加者は、さまざまな映画のワンシーンや音楽Liveを組み合わせたデモ用映像をヘッドフォンで試聴しました。DTS Ultra PC II Plus™のON/OFFを切り替えると、同じサラウンドでもその奥行きや臨場感の違いは明白。従来までのPCでは体験できなかった瑞々しく臨場感溢れる音がヘッドフォンから聞こえてきました。DTS搭載PCの普及とともに、今後はより多くの人にDTSのサラウンド技術を体験していただけるものと期待しています。

富士通製のモニター一体型PC
ESPRIMO FH56/ED(左)とESPRIMO FH77/ED(右)

DTS Ultra PC II Plus™を試聴する来場者
● DTS Ultra Mobile™搭載スマートフォン試聴コーナー
スマートフォンに音楽をダウンロードして楽しむことは、既に一般的なこととして多くの人に慣れ親しまれています。ただ、スマートフォンで再生される音にどの程度までのクオリティを求めるのか、意見が異なるでしょう。
DTSは、サラウンド・サウンドの先進的テクノロジー企業として、スマートフォンであろうと最善の音で音楽や映像を楽しんでいただくためにDTS Ultra Mobile™という技術を開発。これは、スマートフォンのオーディオ環境にあっても効果的なサラウンド・サウンドを楽しむことができる技術です。
日本では、この技術を採用したスマートフォン端末はまだないため、デモで用意されたのはアメリカのT-Mobileから発売されているLG製の端末「G2X」。実際にその音を聞いてみると、このスマートフォンの外観からは想像できないほどの透明で奥行きのある迫力のサラウンド・サウンドを体感することができました。いつでも、どこでも、高品質なサラウンド・サウンドが楽しめるスマートフォンの日本登場がいまから楽しみです。

日本未発表のLG G2X

LG G2Xから聞こえる高品質サラウンドに聞き入る来場者
● DTS Envelo™搭載 iPod Dock試聴コーナー
iPodやiPhoneに記録されている音楽をスピーカーで楽しみたい時のマストアイテム、iPod Dock。本会場では、3次元サラウンドを実現する「DTS Envelo Speaker™」を搭載したケンウッド製iPod Dockが展示され、来場者が持参しているiPod、iPhoneを接続して試聴することができました。普段親しんでいる曲で試聴するからこそ、その音の違いがより分かりやすかったと言えるでしょう。ボーカル中心の曲、インストルメンタル系の曲などさまざまなタイプの曲を試し、手軽にサラウンドが楽しめることを確認。カジュアルなシーンで活躍しそうなファッショナブルな一台でした。

ケンウッド iPhone/iPod パーソナルシステム「CLX-70」


イベント最終日となった日曜日、デジタル・メディア評論家の麻倉怜士氏と雑誌「WIRED」の編集長をつとめる長崎義紹氏の二人によるトークセッションが行われました。司会進行はオーディオ・ビジュアル専門雑誌「HiVi」の編集長 泉哲也氏。男性の趣味の王道として昔から親しまれているオーディオ、クルマの世界で、最先端の技術を使っていまどのような楽しみ方ができるのか、また今度どのように楽しんでいきたいかといった内容をテーマにセッションはスタートしました。

クロストークセッションの様子

司会進行役をつとめた HiVi編集長 泉哲也氏
● マルチチャンネルでは音質に加えて、音像、音場の要素が必要
オーディオとクルマの接点はカーオーディオでしょう。自らのことを映画館派と称する麻倉氏は、音の風圧を感じるほどの大音量で音を楽しみたいと語り、長崎氏は、一日の中で最も長く音楽を聴く空間はクルマの中であると告白。クルマの中は好きな音楽を大音響で楽しむ場所として理想的な空間であると両氏の意見が一致しました。
また“いい音”について話しが及ぶと、「2チャンネルの場合、シンプルに音質だけを追求すればよかったけれど、マルチチャンネルでは音質に加えて、音像、音場の3点が揃わないといい音にはなりません」と麻倉氏が解説。聞こえてくる音によって正確な像、シーンが描けるかが重要になるといいます。サラウンド・サウンドを楽しむ場合、リビングに比べて車内は音を遮るものが少ない分カーオーディオの方がサラウンドを再現しやすいと思われがちですが、座る位置によって聞こえてくる音が異なり、注意が必要になると麻倉氏は言及しました。

デジタル・メディア評論家 麻倉怜士氏
● 音楽は、音量によって聞こえ方や感じ方が異なる
「最近、爆音クラシックというものにはまっています。一般的にダイナミックレンジが広いとされているクラッシック音楽を大音量で聴きましょうという集まりがあるんです。私の場合、愛車で首都高を走りながら大音量でクラシックを聴いていています。ストレス発散のためにいいですね」と語る長崎氏。これに対し、「ここ最近、若い方々を筆頭にヘッドフォンで音楽を聴くことの方が多く、大音量で音楽を聴く機会が少なくなっています」と麻倉氏は話し、女子大で音楽を教える麻倉氏の体験談を披露。「授業の中でビートルズのHey Judeという曲を学生達に大音量で聞かせました。スピーカーから大音量で聞こえるHey Judeを聴いて、以前どこかで耳にしたことのある曲がこんなにいい曲だったんだと、学生達はこの曲の良さを実感していました」。音量によって音質が異なって聞こえる好例として、来場者は興味深く話しに聴き入っていました。
また、CDの長所の再確認と、音質がどんどん良くなっているデジタルサウンドについてことに話題が移行。「CDは40年も前の技術です。デジタルサウンドの時代の先駆けとなり、すぐに再生の頭出しができるという文化を作りました。いまだにCDが使われているのはそれだけの理由があります」と麻倉氏。一方でCDよりも広い音域の音を簡単にHDDへ録音し、よりナチュラルな音を楽しむことができるようになったいま、まったく新しい音の用途が生まれるでしょうと全員の意見が一致。「これからはどのような目的でどのような音にするかをチョイスする時代です」と長崎氏は語ります。

WIRED編集長 長崎義紹氏
最後に
トークセッションの締めとして、デジタルサウンドの時代にあり今後期待すること、取り組んでいきたいことについて泉が両氏に質問したところ、「昔のスピーカーから聞こえていた、温かみのある音をデジタルサウンドでも再現できればいいと思います」と長崎氏。麻倉氏は「より純粋に音楽を楽しみたいという思いがあり、特に和音についてこだわりをもっています。作曲家の思想や気持ちがこもっているものとして、和音によりダイレクトにアクセスする手段を追求していきたいと思います」と解答しました。
音や技術へのこだわりが強い両氏がゆえに内容の濃いトークセッションになり、満足度の高いものとなりました。

3人のトークに聴き入る来場者